後鼻漏を治すには"鼻うがい"も有効とされています。
鼻うがいとは、抗菌処理された生理食塩水を鼻から流し洗浄することです。 鼻水にはウィルスやほこりが含まれています。これらを鼻うがいで洗浄すれば鼻詰まりを解消し症状を緩和できます。
①鼻うがいに使う生理食塩水を30度くらいのぬるま湯にします。
②次に片方の鼻を押さえながら、もう一方の鼻に食塩水を流し込みます。
③液がのどに落ちるように上を向きのどに流れたものを口から出します。
これを左右の鼻の穴に5回くらい繰り返します。液を出した後、鼻をかむと鼻水や膿が出てきます。
鼻うがいに水道水を使うのはオススメできません。水道水にはたくさんの菌が潜んでいます。
傷ついた粘膜に菌が繁殖するのを防ぐためにも、鼻うがいは抗菌処理された水を使いましょう。鼻に水が入るとツンとした痛みを感じます。この痛みを感じないようにするには、生理食塩水が有効です。水に塩を混ぜることで体液と同じような液体となり痛みを防止することができます。特に粘り気のある鼻汁の場合は、生理食塩水に重曹を加えるとより効果があると言われています。水500mLに対して、食塩5g、重曹2.5gを混ぜて、ぬるま湯程度に温めて使うと効果的です。
抗菌処理した生理食塩水は薬局で購入可能です。ドラッグストアなどで専用の容器が販売されています。鼻の中の保湿にもつながりますので、感染症の予防効果も期待できます。
ふれあい漢方内科で推薦している鼻うがいは「ニ一ルメッド・サイナス・リンスキット」です。詳細はふれあい漢方内科にお問い合わせて下さい。
《鼻うがいで注意すること》
高齢者や子供は鼻うがいが上手にできません。気管や肺に水が入り、呼吸困難を起こす可能性があります。子供や高齢者は、鼻うがいをしないようにしましょう。また、鼻うがい中に水を飲みこむと液体が耳に流れ込むことがあります。鼻を通った液体にはウィルスや細菌が含まれているため中耳炎を起こす可能性があります。耳に流れ込むと強い耳の痛みを感じる人もいます。鼻うがいの水は飲みこまないよう十分注意して行って下さい。
《その他の後鼻漏の対策》
温めた蜂蜜を含む飲み物を取ると症状が緩和されることがあります。ライムを加えるとより効果的です。
蜂蜜には咳と炎症を抑え、粘り気のある痰を流す効果があります。
《予防のために気をつけたい生活習慣》
後鼻漏にならないためには、原因となる疾患を予防することが大切です。 日常生活で気をつけたい生活習慣を紹介します。
タバコを控える
鼻を強くかみすぎない
脂っこいものは控える
白砂糖を使ったお菓子は避ける
アイスクリームはやめる
もち米は控える
添加物の多い加工食品は避ける
甘いものは体を冷やします。添加物や脂っこい食事は体に多量の活性酸素が発生し、免疫力が低下します。規則正しい生活を送りバランスのいい食事を食べ免疫力を高めてください。
お風呂は疲れを癒すと同時に血行促進に効果があります。お風呂の湯気はのどや鼻のケアに最適です。温かいお湯をシャワーで鼻の上にかけて下さい。症状が緩和されます。
空気の乾燥は鼻水を出やすくするため、加湿器を利用して湿度を保って下さい。
《やってはいけないこと》
鼻炎や副鼻腔炎で出る鼻水にはたくさんの細菌が含まれています。後鼻漏でのどに流れた鼻水が気管や肺へ流れると気管支炎や肺炎、咽頭炎を引き起こす可能性があります。
特に高齢者は後鼻漏による肺炎の危険性が高く、注意しなければなりません。
後鼻漏で絶対にやってはいけないことは、鼻にティッシュを詰めることです。鼻にティッシュを詰めると鼻の粘膜を傷つけ、後鼻漏が悪化してしまいます。鼻水が気になる場合は病院で吸引してもらいましょう。