「かまととぶる」という言葉の語源を知っていますか? 「かまととぶって、知ってるっくせに」
とよくいいますよね。私の周囲の女性でもそのような人が時々います。 「かまととぶる」とは女性が男性や目上の人の前でいい子ぶったり、ウブなふりをすることを意味します。その語源は、「かまとと」の「かま」は蒲鉾(カマボコ)のことで、「とと」は魚を意味する幼児語です。
私は瀬戸内海の近くで生まれ育ったのですが、小さいころからよく魚のことを「おとと」と聞かされていました。この「おとと」の語源は諸説ありますが、私が聞かされたものとして、魚市場で新鮮 な魚が跳ねて天秤から飛び出してしまい、行商が「おっとっと」と言ったことから「おとと」と呼ばれるようになったという説があります。
蒲鉾は魚の白身をすりつぶしてできあがっったものですが、江戸時代の娘が「蒲鉾はおととからできているの?」と世間知らずに、そして無邪気で可愛らしく見せかけ、男性の気を引こうとしたエピソードがあります。 同じ女性の目から見ると見え見えだったりするので、その気持ちが皮肉となり、「かまとと」という言葉が生まれたそうです。なお、「ぶりっこ」という言葉は、「可愛い子ぶる」「いい子ぶる」が転じて「ぶりっこ」となったそうですよ。