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院長 田中康文

尋常性白斑


尋常性白斑(別名シロナマズ)は、皮膚の色を構成するメラニンを生成するメラノサ イトが消失、あるいは機能停止する慢性的な皮膚疾患です。

原因は不明ですが、遺伝・自己免疫疾患・環境要因の組み合わせにより引き起こされると示唆されています。マイケル・ジャクソンもこの病気を患っていました。

その治療には副腎皮質ホルモン(ステロイド)外用とPUVA療法(紫外線治療)が行われ、最近では、ナローバンドUVB(紫外線B波治療)も行われていますが、治療成績は決してよくないと言われています。

このように西洋医学的には治療が難しい疾患ですが、漢方薬、特に煎じ薬にてかなり改善した2つの症例をご紹介したいと思います。

 

症例1:9歳の男児。

某年2月に右上唇の上の皮膚に白いものがポツポツで始めた。

皮膚科にて白斑と診断され、塗り薬を毎日塗っていたが効果なく、むしろ小豆大の大きさだったのが大きくなったため、漢方薬での治療を求めて5か月後の7月に初来院。

血を補う胃生薬と熱を冷ます生薬など、14種類の生薬からなる煎じ薬から始める。

来院当初は右鼻の下から上唇にかけて1cm×3cm地図状の白斑がみられた

(写真1)が、次第に肌色の皮膚が見え始めて約8か月間の治療にて右の小鼻の下、5mmくらいの白斑(写真2)にまで縮小している。

写真1

写真2

 

症例2:12歳の女児。

生後直後から陰部から臀部にかけて大きな白斑がみられ、そのほかには手の指先、足首、足背部などに白斑がみられていた。

12年間、皮膚科への通院治療してもほとんど改善がみられなかった。

平成28年9月に来院され、14種類の生薬からなる煎じ薬から始めた。

その後、約1年半の経過で、手足の白斑はほどんど消失し、臀部と陰部の白斑は約半分の白斑となり、肌色の皮膚も少しずつ出始めている。

 

このように治療が難しいと言われている尋常性白斑は漢方薬でかなり改善することが期待できます。この病気で悩まれている方は是非一度 漢方薬を試してみてはいかがでしょうか。

※この記事は2012年に作成し、2018年4月に一部追記・修正しました。


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