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院長 田中康文

②頭痛の一般的知識、各頭痛の自己診断法(西洋医学からみた頭痛Q&A:その2)

(頭痛の発生部位)

Q.頭痛が起こるのは脳に原因があるのですか?


(頭の片側が痛い)

Q.頭の片方がズキズキ痛いのですが、片頭痛ですか?


(片頭痛の自己診断)

Q.片頭痛かどうかを自分で診断できますか?


(緊張型頭痛の自己診断)

Q.緊張型頭痛でも自己診断法があるのですか?


(群発頭痛の自己診断)

Q.群発頭痛の自己診断にはどのようなものがありますか?

 

(頭痛の発生部位)

Q.頭痛が起こるのは脳に原因があるのですか?

【回答】

脳自体は痛みは感じません。頭蓋骨自体も全く痛みがありません。では痛いのは何か、何が痛がっているのかというと、頭蓋内では動脈、頭蓋底にある硬膜、頭蓋外では頭皮、その下にある血管や筋肉です。

実は痛いのは脳自身ではなくて血管や筋肉や一部の硬膜が痛みを起こしています。

もちろん脳自体に病気があれば頭痛が起こりますが、これは脳を圧迫してその中にある血管や硬膜を刺激することによって頭痛が起こってきています。

血管と筋肉と脳の病気が頭痛の主な三大原因と考えられます。

それ以外に眼・鼻・耳・口の病気、例えば緑内障、副鼻腔炎、顎関節症といった病気から頭痛を感じることがあります。また頭の表面や脳血管には三叉神経や大後頭神経などの神経が走っていますが、この神経が痛むこともあります。

 

(頭の片側が痛い)

Q.頭の片方がズキズキ痛いのですが、片頭痛ですか?

【回答】

片頭痛は片方が痛むと書きますから、まさに頭の片方が痛いと片頭痛と思われるようです。もちろん片頭痛の可能性もありますが、肩こりからくる緊張型頭痛でも頭の片方がズキズキ痛むことがあるので、頭の片方が痛むというだけでは片頭痛なのか緊張型頭痛なのか鑑別できません。

片頭痛は片方だけが痛むという方のほうがむしろ少なく、両側であったり痛む側が移動することもあります。また、片頭痛は血管の痛みですから拍動性だと思いがちですが、拍動性ではないこともあります。一方、緊張型頭痛でも中にはズキン、ズキンと拍動性の痛みを訴える人もいます。

もう一つ、視野の一部がギザギザしたようになり、ピカピカして見えなくなるという症状が片頭痛にはあります。これは閃輝暗点と呼ばれる症状です。頭痛の症状が起こる前にこの症状が出れば、片頭痛に非常に特徴的です。しかしこれがない片頭痛のほうがずっと多い。それに対して緊張型頭痛で眼がチカチカするという症状を訴える方がいますので、これでも診断できません。

片頭痛はどういう頭痛かというと、発作性に痛くなり、日常生活に支障があって動くと余計に痛い。だから動けずに暗い部屋で横になっているしかない。このような症状であれば片頭痛と考えられます。それプラス吐き気や嘔吐、光がまぶしいという症状があれば片頭痛と考えます。

 

(片頭痛の自己診断)

Q.片頭痛かどうかを自分で診断できますか?

【回答】

片頭痛についての簡単なセルフチェックシートがありますので、思い当たる項目にチェックしてみて下さい。

1.頭痛があったとき吐き気や嘔吐があったことがありましたか?

2.頭痛のとき、光がまぶしかったり、音をうるさく感じたことがありましたか?

3.頭痛のとき、仕事や勉強など、やらなければならないことが1日以上できなくなったことがありましたか?

4.頭痛のとき、においを敏感に感じたことがありましたか?

最初の3つの質問ですべて当てはまっていた人は90%の確率で片頭痛です。さらに4つ目の「においに敏感」も加わると、片頭痛の確率は95%となります。

そのほかに、簡単ですぐにできる診断法として、「おじぎ」というものがあります。

深くおじぎをするように、頭を心臓の位置より下に来るように頭を下げると、頭痛がひどくなり、頭がガンガンと割れるように痛み出すと片頭痛の化膿性が大きいです。

それによって血液が頭に充満して、脳圧が上がり、さらに頭痛がひどくなります。

この徴候は緊張型頭痛ではまず起こらないとされています。

そのほかには、階段の昇降など、まずは動いてみると、片頭痛なら、頭に痛みがガンガン響いて頭痛がさらにひどくなります。そのため、片頭痛は動くとつらい、静かな暗い部屋でじっとしていたくなります。

 

(緊張型頭痛の自己診断)

Q.緊張型頭痛でも自己診断法があるのですか?

【回答】

緊張型頭痛についての簡単なセルフチェックシートもありますので、思い当たる項目にチェックしてみて下さい。

1.頭の両側が痛むことが多い。

2.頭がギューッと締め付けられるような、圧迫されるような痛みがある。

3.普段から首懲りや肩懲りがある。

4.歩いたり階段を上がったり下りたりしても頭痛がひどくなることはない。

5.頭痛のとき光や音を過敏に感じたことはない。

6.首や肩などをマッサージしたり、風呂に入ると頭痛は軽減する。

該当する項目が4つ以上あり、片頭痛のような吐き気、嘔吐、光・音過敏がなければ、ほぼ確実に緊張型頭痛です。

 

(群発頭痛の自己診断)

Q.群発頭痛の自己診断にはどのようなものがありますか?

【回答】

同じように自己診断チェックをやってみてください。

1.1~2ヵ月間ほど毎日のように1~2時間、ズキンズキンとした割れるような頭痛が

集中して起こる。

2.頭痛は1年に1~2回、あるいは2~3年に1回集中して起こることがある。

3.夜中あるいは明け方のほぼ決まった時間に起こることが多い。

4.片方の目の奥がえぐられるような、ナイフで突き刺されるような、激しく痛むことがある。

5.痛む側の目が充血し、涙が出たりすることが多い。

6.痛む側の鼻がつまり、鼻水が出ることがある。

7.頭痛の最中は痛さを我慢できずじっとしていられない。

8.頭痛の起こる期間中は、アルコールを飲むと必ず頭痛が誘発される。

〔該当する項目が3つ以上あれば、ほぼ確実に群発頭痛です。〕

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