• 院長 田中康文

脳の活動を抑制する睡眠薬:ベンゾジアゼピン系睡眠薬(不眠症:その8)


現在、中心となって使われている睡眠薬で、睡眠導入剤というとこのタイプになるかと思います。

このタイプの睡眠薬で主に使われているのは、ベンゾジアゼピン系と非ベンゾジアゼピン系の2つのタイプがあります。どちらもGABA受容体と複合体を形成するベンゾジ アゼピン受容体を刺激してGABAに関わる神経伝達を高めて脳の活動を抑制しますが、このベンゾジアゼピン受容体はω1とω2というサブタイプに分かれています。

ω1受容体は催眠作用と鎮静作用、ω2受容体は抗不安作用と筋弛緩作用があります。

ベンゾジアゼピン系はω1とω2受容体の両方に作用し、非ベンゾジアゼピン系はω1受容体だけに作用するとされています。このため非ベンゾジアゼピン系は、筋弛緩作用(ふらつき)が少ない薬ということになります。

〔ベンゾジアゼピン系睡眠薬の特徴〕

この系統の睡眠薬は催眠作用と抗不安・筋弛緩作用によって、脳の神経活動を全般的に抑えることで眠りやすくします。日本では約50年前から使われていて、作用時間の異なるさまざまな種類があります。この睡眠薬は不安が強かったり、肩こりや身体に緊張が強くて眠れない場合に有効ですが、効きすぎると筋肉の緊張がゆるみ、ふらつくことがあります。

特に高齢者や足腰の弱っている方に筋弛緩作用が強くでてしまうと、ふらついてしまって転倒することがあります。夜中にトイレで目が覚めたときに転倒してしまい、骨折してしまうこともあります。

このようなふらつきの対策としては、

  • 薬の量を減らす(作用時間が長い睡眠薬はふらつきが出やすいので、作用時間の短い睡眠薬に変更する)

  • ベンゾジアゼピン系睡眠薬などの筋弛緩作用の弱い睡眠薬に変更する

となります。

またこの系統の薬はやめにくいという問題点があります。

ベンゾジアゼピン系睡眠薬は漫然と長期使えば、

  • 身体依存(身体が薬のある状態に慣れてしまい、薬が急に抜けると反動で不眠がひどくなる(反跳性不眠)

  • 精神依存(本当はもうお薬が無くてもいい状態にあったとしても、これが無いと眠れないのではと不安で手放せなくなる)

  • 耐性(薬の作用に慣れて効果を感じづらくなる)

の3つの要素から依存がついてしまうことがあるため注意が必要です。しかし、一定量でコントロールできているなら大きな心配はありません。効きが悪くなったからと量を増やしたり、乱用してしまうようなことがあれば注意が必要です。用量を超えて過量服薬しても、効果が強まるわけではありません。また過量服用した場合、生命の維持機構に関連する脳幹の抑制への懸念が従来の薬剤より少なくなったとはいえ、生命に危険を及ぼす可能性があります。睡眠薬の用量を決めるにあたっては、効果と安全性を試験して、効果が頭打ちになる量が、睡眠薬の最高用量となっています。眠れないからといって、用量を超えて使うことはやめましょう。


〔ベンゾジアゼピン系のメリット・デメリット〕

睡眠薬や抗不安薬として幅広く使われるベンゾジアゼピン系の薬は、上手く使えばとても優れた薬です。

メリットとしては、

  1. 即効性がある(飲むとすぐに効果を実感できます。)

  2. 作用の持続時間が短いものから長いものまで、さまざまな種類があるので、使用目的に合わせた処方がしやすい。

  3. 不安や催眠だけでなく、筋弛緩作用で肩こりなどを緩和させることができる。

デメリットとしては、

  1. 睡眠の質が落ちる。(睡眠のメリハリを減らし浅い睡眠を増やしてしまうことがあります。)

  2. ふらつき、翌朝への持ち越し、健忘などの副作用がある。 筋肉の緊張が緩むことで(筋弛緩作用、)、ふらつき、転倒などがあらわれやすくなります。睡眠薬は効きすぎてしまうと、翌朝まで眠気が続いてしまうことがあります。このような睡眠薬の作用を持ち越し効果(ハングオーバー)と呼ぶこともあります。眠気ばかりではなく、だるさ、集中力の低下、ふらつき、などがみられることがあるため、車の運転などには注意が必要です。 通常、作用持続時間の長い薬剤ほど持ち越し効果や筋弛緩作用があらわれやすい傾向があり、特にふらつきや転倒などによるリスクが高い高齢者などに対しては注意が必要です。まれに入眠までの出来事や中途覚醒時の出来事を覚えていないという健忘症状があらわれることがあります。

  3. 耐性・依存性がある。

1カ月以上、飲み続けると慣れが生じやすく、身体・精神ともに依存しやすい性質があるため、一定量を守り正しく使っていくことが大切です。

[ベンゾジアゼピン系睡眠薬の種類]

ベンゾジアゼピン系睡眠薬は作用時間の短い順に、超短時間型、短時間型、中間型、長時間型に分類されています。睡眠薬は不眠のタイプ、不眠期間の長さによって使い分けていきます。

入眠障害には、超短時間型~短時間型、

中途覚醒には、短時間型~中間型、

早朝覚醒には、中間型~長時間型が主に用いられています。

超短時間型や短時間型は、飲んですぐに効果が出てきます。

中間型や長時間型は、どちらも寝つきやすい土台を作っていくような働きで、身体に薬が少しずつたまることで効果が現れます。

中間型は4~5日、長時間型は1週間以上かけて効果が安定していきます。また、不眠で悩んでいる期間の長さも大切です。一時的な不眠には作用の短い睡眠薬を、慢性的な不眠では作用時間が長い睡眠薬を中心に使っていきます。これは睡眠薬の使用が長期にわたった時に、やめやすくするためです。ロゼレムやベルソムラのような自然な眠気を強める睡眠薬も依存性がないため、慢性的な不眠に向いています。

それに対して一時的な不眠では、短いタイプの睡眠薬で効果の実感が強いものを使っていきます。

一時的な不眠を改善することで、心身の状態がよくなって不眠も改善することを期待していきます。ベンゾジアゼピン系睡眠薬も含め、睡眠薬は不眠を根本から改善していくような薬ではないため、睡眠習慣を見直しながら睡眠薬を使って行くことが大切です。睡眠習慣と合わせて取り組むことで、睡眠薬に依存することなく不眠の改善を行っていきましょう。

1.超短時間型

効果のピークは1時間未満、作用時間は2~4時間

ハルシオンが発売されています。

しかし ハルシオンより効果や副作用がおだやかな非ベンゾジアゼピン系の薬があるため、そちらから始めるのが通常で、最初からハルシオンが処方されることはほとんどありません。睡眠薬の強さをハルシオンと非ベンゾジアゼピン系睡眠薬(アモバン、マイスリー、ルネスタ)を最高用量で比較してみると、

ハルシオン>アモバン>マイスリー≧ルネスタ となります。

ハルシオンの特徴は、効果の早さと入眠作用の強さで、切れ味のよい薬です。ハルシオンの半減期(血中濃度が半分になるまでの時間)は2.9時間、最高血中濃度到達時間は1.2時間となっており服用まもなく効果が現れ、気づいたら朝になっていたというような効き目になります。しかし、その作用の強さは依存性にもつながり、やめられなくなってしまうことがあります。このような依存性の対策としては、少しずつ減量していくことが基本となります。減量の過程で、寝付けなくなった場合は無理をせずに薬を追加して元の量に戻して、その後、タイミングをみて、また少しずつ減量して少しずつ地震をつけていくようにします。減量が困難なときは、依存性の少ない作用時間が長い睡眠薬と併用しながら少しずつシフトしていきます。

ハルシオンは0.125mg錠、0.25mg錠の2種類が販売されています。就寝前に0.125mgから開始し、高度な不眠に対しては0.5mgまで可能ですが、高齢者には、0.25mgまでとなっています。

2.短時間型

効果のピークは1~3時間、作用時間は6~10時間

レンドルミン、デパス、エバミール/ロラメット、リスミーが発売されています。睡眠薬としての強さを最高用量で比較してみると、レンドルミン≧デパス≒エバミール/ロラメット>リスミーとなります。


①レンドルミン

レンドルミンの半減期は7時間、最高血中濃度到達時間は1.5時間となっており作用時間や効果のバランスが良く、標準的な睡眠薬です。このためレンドルミンは寝つきが悪い方から目が覚めやすい方まで、さまざまな睡眠障害に広く使われています。従って、入眠困難+熟眠困難=レンドルミンというイメージになり、半減期7時間と一般的な睡眠時間にほぼ一致します。

レンドルミンはD錠(口腔内崩壊錠)があり、嚥下能力の低下した人によいとされています。(レンドルミンD錠のDとは、Disintegrating Tablet(速崩錠)の略になります。口の中に入れるとすぐに唾液で溶けるように作られています)レンドルミンは0.25mg錠、0.25mgD錠の2種類が販売されています。ただし後発品のブロチゾラムは0.125mg錠と0.25mg錠があります。就寝前に0.25mgから開始することが一般的ですが後発品のジェネリックでは0.125mgから開始することも可能です。最高用量は0.25mgです。


②デパス

デパスの半減期は6.3時間、最高血中濃度到達時間は3.3時間と、最高血中濃度に到達するのに少し時間がかかりますが、デパスは抗不安作用と筋弛緩作用が強く、また催眠作用も強いため、不安と体の緊張が強い不眠に使われています。

しかし、筋弛緩作用が強いため、睡眠中にのどの筋肉が弛緩して気道を狭めてしまい、睡眠時無呼吸が悪化してしまうことがあり、イビキがひどくなった方は注意が必要です。また、高齢者では夜間転倒の原因になり、睡眠薬としては不適とされています。

この薬は作用が強く効果の実感が期待できるため、漫然と使い続けると薬がやめられなくなってしまうことがあり、出口を見据えながら使っていく必要があります。デパスは0.25mg錠、0.5mg錠、1mg錠の3種類の剤型が販売されています。就寝前に0.25mgあるいは0.5mgから開始し、最高用量は1mgとなっていますが、高齢者は0.5mgとなっています。


③エバミール、ロラメット

エバミール、ロラメットは同時に2社で開発され、エバミール錠とロラメット錠として、別々の会社で発売されています。エバミール、ロラメットは肝臓への負担が非常に少なく、安全性の高さには定評があり、高齢者や肝機能障害の方にも使いやすいとされています。エバミールの半減期は10時間、最高血中濃度到達時間は1.5時間となっており、睡眠時間の全体をカバーしているため、入眠障害だけでなく中途覚醒や早朝覚醒にも効果が期待できます。しかし効果の強さがややマイルドなため、あまり多くは使われておらず、ジェネリック医薬品は発売されていません。エバミールは1mg錠のみ販売されています。

就寝前に1mgから開始し、最高用量は2mgまでとなっています。


④リスミー

リスミーの半減期は10.5時間、最高血中濃度到達時間は3時間となっており、リスミーは作用がマイルドで、短時間型の睡眠薬のなかでは作用時間が長く睡眠時間の全体をカバーしているため、穏やかに睡眠をサポートする場合に幅広く使われることがあります。ただ切れがあまりよくなく、効果が出てくるまでにやや時間がかかり、それが自然な眠気に近いと感じることもあります。

リスミーは1mg錠と2mg錠の2種類が販売されています。就寝前に1mgから開始し、最高用量は2mgとなっています。


3.中間型

効果のピークは1~3時間、作用時間は20~24時間

イレース、ベンザリン/ネルボン、ユーロジンが発売されています。

睡眠薬としての強さの違いを、最高用量で比較してみると サイレース>ベンザリン/ネルボン>ユーロジンとなります。


①サイレース

サイレースは半減期は21.2時間、効果のピークは0.75時間となっています。このように半減期は比較的長いので、中間型に分類されています。しかしその血中濃度の変化は特徴的で、二段階になっていて、はじめのうちに一気に血中濃度が低下して、睡眠中に一気に薬が体から抜けていき、半減期は実質的に7時間ほどになります。そのため、実質的には短時間型の薬となっています。

そのあとはゆっくりと体から抜けていきます。このようになるのは、サイレースは脂に溶けやすいからで、サイレースを服用すると、体の脂に取り込まれていきます。その成分がじわじわと、あとから血中に戻ってきて体から抜けていきます。このためトータルの半減期は、21.2時間と長くなります。

サイレースは睡眠時間全体にわたってカバーしているため、入眠障害だけでなく中途覚醒や早朝覚醒にも効果が期待できます。しかしその効果は非常に強く、ほかの睡眠薬でも効果が不十分な場合に、最後の選択肢として使われます。その強さのため、性犯罪に使われたことがあり、アメリカやイギリスなど持ち込み禁止となっています。サイレースは1mg錠、2mg錠の2種類が販売されています。

就寝前に0.5mg(1mg錠の半錠)あるいは1mgから開始し、最高用量は2mgとなっていますが、高齢者は1mgまでとなっています。


②ベンザリン/ネルボン

ベンザリン錠は、同じ先発品としてネルボン錠が発売されています。

ベンザリンは細粒剤、ネルボンは散剤があり、嚥下能力の低下した患者などにもよいとされています。ベンザリンの半減期は27時間、最高血中濃度到達時間は1.6時間となっていますが、ベンザリンは服用直後に一機に血中濃度が上昇し、ピークに達したのちに、はじめの8時間ほどで血中濃度は半分になります。その後はゆっくりと体から薬が抜けていき、4~5日ほど連続で服用すると安定していきます。ですから、効果の強さは標準的ですが、催眠効果は比較的早く、その作用時間は6~8時間ほどになります。

その後は一日を通して抗不安効果や筋弛緩作用が持続して寝付きやすい土台を作ります。そのため、中途覚醒や早朝覚醒が認められている方には効果が期待でき、また、抗不安効果も日中に持続するため、不安や緊張が強くてなかなか寝つけないという方には使いやすい睡眠薬になります。

睡眠薬は一般に、長期間にわたって使っていると、薬があることに身体に慣れてしまうことがあります。その結果、薬を減らすと不眠が強まってしまうことがあります。このような状態を反跳性不眠といいます。睡眠薬の離脱症状とも言え、睡眠薬はやめられなくなってしまいます。ベンザリンはこのような離脱症状は起こしにくいとされています。しかし漫然と服用していると精神的な依存によって薬をやめられなくなってしまうことが多いとされています。このためベンザリンを中止していく際は、少しずつ減量していくことが基本となります。また、ベンザリンは作用時間は比較的に長いため、翌朝に眠気が残ってしまうこともあります。睡眠がしっかりとれていても眠気が残るようであれば、ベンザリンによる眠気の翌朝への持ち越しの可能性があります。その場合の対処法としては、

・薬の量を減らす

・他の睡眠薬に変える

となります。

ベンザリンは2mg錠、5mg錠、10mg錠の3種類が販売されています。

就寝前に2mgあるいは5mgから開始し、最高用量は10mg~15mgとなっています。


③ユーロジン

ユーロジンの半減期は24時間、最高血中濃度到達時間は2~5時間(低用量では2時間)となっており、作用時間が比較的長く、中途覚醒や早朝覚醒が認められている方に使われることが多いようです。

また抗不安効果や筋弛緩作用も一日を通して持続するため、不安や緊張が強くてなかなか寝つけないという方にも使いやすく、寝付きやすい土台を少しずつ作り上げて行く睡眠薬です。またユーロジンは、緑内障に関する注意喚起がなされていないというのが特徴的です。ほとんどのベンゾジアゼピン系睡眠薬は、リスクはごくわずかですが、閉塞隅角緑内障というタイプの緑内障では禁忌となっています。

これはわずかに認められる抗コリン作用によって、急激に眼圧があり、失明するリスクがあるためです。

しかしユーロジンは禁忌となっていません。このため緑内障の患者さんにとっては、心理的に使いやすい睡眠薬になります。ユーロジンの副作用としては、「眠気の持ち越し」と「ふらつき」に注意する必要があります。ユーロジンは翌朝にも薬の作用が残りやすいため、眠気が残ってしまったり、日中に眠気が出てしまうことがあります。そしてユーロジンには筋弛緩作用もあります。このため、ふらつきや転倒にも注意が必要です。

ユーロジンは、離脱症状が少ないとされています。しかし長期に服用していると常用量依存といって、減らそうとすると不眠になってやめられず、漫然と服用が続いてしまうこともあります。ユーロジンは1mg錠、2mg錠の2種類が販売されています。就寝前に1mgあるいは2mgから開始し、最高用量は4mgとなっています。


4.長時間型

効果のピークは3~5時間、作用時間は24時間~。

ドラール、ダルメート、ソメリンが販売されています。睡眠薬としての強さの違いを、最高用量で比較してみると ドラール>ダルメート≒ソメリン となります。


①ドラール

ドラールは、ベンゾジアゼピン系睡眠薬に分類されていますが、ドラール自体はω1選択性が高く、催眠作用に特化しています。そのため催眠作用が強く、また半減期は36.6時間、最高血中濃度到達時間は3.4時間と、作用時間が長いため、入眠障害だけでなく、中途覚醒や早朝覚醒にもしっかりとした効果を期待できます。

さらにドラールは体の中で分解されて抗不安作用の強い物質に変化していきます。ちょうど、長時間型抗不安薬のメイラックスと同じような成分となります。ですから作用時間は長いですが、催眠作用自体は8~12時間ほどになります。抗不安作用や筋弛緩作用は日中を通して持続します。このため、8~12時間ほどの睡眠薬+長時間型の抗不安薬といったイメージの薬となり、頑固な不眠と不安が強い場合に使われます。従って、ドラールは入眠困難+熟眠困難+不安感+イライラ感=ドラールといったイメージになり、睡眠薬+安定剤的作用を期待できます。

ドラールは比較的軽い薬といわれており、高齢者にも使いやすい薬ですが、眠気の持ち越しとふらつきに注意する必要があります。 睡眠作用が翌朝に続いてしまって眠気が残ってしまったり、日中に眠気が出てしまうことがあります。

またドラールの代謝産物には、筋弛緩作用があります。このため、ふらつきや転倒にも注意が必要です。特に睡眠時無呼吸症候群が悪化する可能性があるため、イビキがひどいなど、睡眠時無呼吸症候群が疑われる人にはドラールは禁忌となっています。

ドラールはまた脂に溶けやすいため、食後すぐに服用すると食事中の脂肪とともに3倍も吸収され、薬が効きすぎてしまいます。特に牛乳などで服用することは避けてください。そのため、必ず就寝前に服用することが大切です。

ドラールは作用時間が非常に長く、離脱症状は起こしにくく、依存性は少ないとされています。しかし漫然と服用していると精神的な依存によって薬をやめられなくなってしまうことが多いとされています。そのため、漫然とした長期的な使用は避けなければなりません。

依存性の対策としては、

・睡眠に良い生活習慣を意識する

・できるだけ少量・短期間で使う

・アルコールと一緒に服用しない

ドラールは15mg錠、20mg錠の2種類が販売されています。就寝前に15mgあるいは20mgから開始し、最高用量は30mgとなっています。


②ダルメート、ソメリン

ダルメート、ソメリンは副作用が少なく、比較的安全性が高く、効き目もよいのですが、あまり処方されていないため、後発品は販売されていません。不安や緊張感をほぐし気分をリラックスさせて、自然に近い眠りに誘い、特に夜間に何度も目が覚めたり、朝早く目が覚めてしまう人に向きます。

正しく服用するかぎり、重い副作用はまずありません。ただ、作用時間が長いので、人によっては、翌朝に眠気やふらつき、けん怠感や脱力感などが残ることがあります。特に高齢の人は、転倒にも注意する必要があります。

また中止時の不眠やイライラ感など反発症状が少ないのですが、多めの量を長く飲み続け、体が薬に慣れている状態で急に中止すると、かえって眠れなくなったり、不安やイライラ、吐き気、震えなどの反発的な症状がでることがあります。中止するときは徐々に減量することが大切です。

急性閉塞隅角緑内障と重症筋無力症は症状を悪化させる可能性があり、また気管支喘息や肺気腫など、呼吸機能が高度に低下している人には禁忌あるいは原則禁忌となっています。また肝障害、腎障害の人、さらに高齢者は作用が強く現れる可能性があり、少量から投与を開始するなど慎重投与となっています。

上記の薬剤はジェネリックとしても販売されており、以下に記載します。

ハルシオン:トリアゾラム

レンドルミン:ブロチゾラム

デパス:エチゾラム

リスミー:リルマザホン

サイレース:フルニトラゼパム

ベンザリン/ネルボン:ニトラゼパム

ユーロジン:エスタゾラム

ドラール:クアゼパムさらにドラールは体の中で分解されて抗不安作用の強い物質に変化していきます。ちょうど、長時間型抗不安薬のメイラックスと同じような成分となります。ですから作用時間は長いですが、催眠作用自体は8~12時間ほどになります。抗不安作用や筋弛緩作用は日中を通して持続します。このため、8~12時間ほどの睡眠薬+長時間型の抗不安薬といったイメージの薬となり、頑固な不眠と不安が強い場合に使われます。従って、ドラールは入眠困難+熟眠困難+不安感+イライラ感=ドラールといったイメージになり、睡眠薬+安定剤的作用を期待できます。

ドラールは比較的軽い薬といわれており、高齢者にも使いやすい薬ですが、眠気の持ち越しとふらつきに注意する必要があります。 睡眠作用が翌朝に続いてしまって眠気が残ってしまったり、日中に眠気が出てしまうことがあります。

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