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肝斑(かんぱん)

February 21, 2019

シミは、痛くもかゆくもありませんが、シミがあることで顔のその部分が常に気になってしまったり、堂々と人と向かい合えなかったり、女性にとって楽しいものである化粧の時間が毎日の憂鬱な時間になったり、年をとったかと落ち込んだり…女性の気持ちに与える影響は大変大きいものです。

シミ、またはしみっぽく見えるものには、肝斑のほかに、老人性色素斑、そばかす、炎症後色素沈着、太田母斑などがあります。

 

肝斑・老人性色素斑・そばかす・炎症後色素沈着・太田母斑 の説明はこちらをクリック

 

 それでは肝斑についてもう少し詳しく述べたいと思います。

肝斑はレバー色(明るい茶色)をしていることからこの名で呼ばれています。その特徴は肝斑以外のシミは、特定の場所にできるということはありませんが、肝斑は両ほほ骨に沿って左右対称に比較的広い範囲に、輪郭がはっきりしない形でモヤッと広がることの多いシミです。日光黒子やそばかすのようにはっきりした輪郭をもたず、もやっと薄褐色のシミが広がるため、一見顔色がすぐれないような印象に見えることもあります。目の周囲にはできず、色が抜けたように見えることもあります。

また季節や体調によってシミの色の濃さが変わるという特徴もあります。

肝斑はまた以下のようなさまざまなタイプもみられます。

 

・目尻の下あたりに小さく広がったタイプの[チビ肝斑]

ほほ骨から目尻の下あたりに、左右対称に小さく広がった、または、こめかみ近くに小さく広がったシミ、いわゆる「チビ肝斑」がみられることがあります。

 

・左右対称だが大きさ・位置が違うタイプ

ほほ骨に沿って左右対称だけれど、大きさが違ったり、また片方が目尻の方に広がるなど、位置が少し違うケースもあります。

 

・額や口の周りにも出るタイプ

ほほ骨に沿って左右対称に広がるだけでなく、こめかみ~おでこ中央や口の周り(特に鼻の下)などに出ている場合があります。

 

ほほには別の種類のシミが広がっていることもあります。

例えば日光黒子など色の濃いシミの下に、肝斑が薄く広がっている場合もあります。日光黒子とソバカスは治療法はだいたい同じですが、肝斑は他のシミと治療法が異なるので、複数のシミがあれば まず肝斑から治していくのがよく、飲み薬で改善できるといわれています。

 

シミの中には思春期を中心に発生するそばかすや、加齢とともに発生の割合が高くなる日光黒子のように、ある年代や経年により発生のタイミングに傾向が見られるものがあります。肝斑もその1つで、主に30~40代を中心に、症状が見られるのはだいたい50歳代後半まで。その後、閉経とともに薄くなったり、消えたりする傾向にあり、高齢者ではほとんど肝斑は発症しないといわれています。

肝斑が発生する厳密なメカニズムについてはまだよく分かっていませんが、ほかのシミと同様に紫外線によって濃くなったり洗顔やスキンケアによる肌への過剰な刺激で症状が悪化する傾向があります。また、女性ホルモンの加齢と共に起こるバランスの変化や乱れによって起こりやすく生理前に

濃くなったり妊娠や経口避妊薬(ピル)の服用が発生のきっかけとなったり、高齢となって閉経を迎えるとシミが薄くなったり消えたりすることから、女性ホルモンのバランスが関わっているともいわれています。

このように皮膚への摩擦、紫外線、女性ホルモンが原因でメラノサイトが過剰産生され、姙娠中にもメラノサイトは増えます。女性ホルモンのバランスが崩れ、表皮の9割を占める細胞(ケラチノサイト)が刺激され、プラスミンという血液や血栓を溶かす働きをする分解酵素が増え、メラニン色素を作り出し、シミとなって現れるといわれています。

 

主に女性が発症するのは、日頃からフェイスマッサージを行っている人や妊娠したことがある・

あるいはピルを飲んでいる人が発症しているからで、このほか強いストレスも肝斑の発症の要因と

考えられています。男性に見られることは殆どありません。

治療法として最もポピュラーなものは、トラネキサム酸を配合した薬の内服です。トラネキサム酸は、肝斑の原因とされるプラスミンの色素生成を抑制する効果があるとされています。内服ですから手軽ですが、抗プラスミン作用のある薬ですから、無制限に継続することは避けるべきです。効果が出るまでの内服期間は、およその目安として3カ月です。

そのほかには、L-システインやビタミンCを配合した薬があります(L-システイン配合剤はハイチオール、ビタミンC配合剤はシナール配合錠)。

女性ホルモンや紫外線などの刺激誘因物質がケラチノサイトに働きかけると、メラノサイト活性化因子であるプラスミンが産生され、そこからメラノサイトのメラニン産生がスタートします。このもっとも初期の段階でプラスミンをブロックし、メラノサイトに活性のシグナルが届かないようにするのがトラネキサム酸です。トラネキサム酸のプラスミン阻害作用は、肝斑のもとを抑える第一段階といえます。

メラノサイトの中では、チロシンというアミノ酸がメラニンに変化します。プラスミンがメラノサイトにシグナルを送ると、チロシナーゼという酵素がつくられ、チロシンを活性してメラニンへの変化を促します。L-システインは、このチロシナーゼの産生や、産生されたチロシナーゼがチロシンを活性するのをブロックします。

チロシンはドーパという化合物を経てドーパキノンに変化し、やがてメラニンになります。ビタミンCは、ドーパキノンをその前段階のドーパに還元する作用を持ちます。また、L−システインと同じく、チロシナーゼがチロシンを活性するのをブロックするはたらきも持ちます。このほか、できてしまったメラニンを褪色させる直接還元作用もあります。

このようにL-システイン、ビタミンCはさまざまなポイントで阻害・還元作用を発揮するといわれています。

その治療の実際の処方例として以下の薬があげられます。

①トラネキサム酸(あるいはトランサミン)(250mg)3錠、分3食後

②シナール配合錠(ビタミンC:200mg)6錠、分3食後

③ハイチオール(80mg)3錠、分3食後

 

このほかに外用療法があります。塗り薬では、ビタミンCのほかにハイドロキノンやトレチノインがあります。ハイドロキノンはメラニンの産生を抑制する働きがあります。また、トレチノインはニキビ、シミ、しわに効果的とされ、ハイドロキノンとセットで使うとシミも改善するといわれていますが肝斑の患者さんの肌は刺激に弱く、濃度や投与量が多くなると刺激性皮ふ.炎を生じやすくなり赤みやかゆみを伴うこともあり、トレチノインに精通した皮膚科医による濃度の調節が必要となります。

また通常のシミ用レーザー治療では肝斑が悪化する可能性がありますがトーニングという新しいレーザー治療は表皮の下部組織のメラノサイトを刺激しないで、低出力で施術する事でメラノサイトを活性化させず(メラニンが発生しない)おだやかに働きかけるため安全に肝斑を薄くしていくといわれていますが保険適応外で高額となります。

 

このような西洋医学的治療は肝斑発生に強く関わっているストレスや体調の崩れ、生理前に濃くなるなどの治療は考慮されておらず、さらにこれらの治療だけではシミが少し残ることもあり、漢方藥との併用が望ましいと思われます。

 

「皮膚は内臓の鏡」ともいわれ、肝斑は中医学では内臓の「肝」と深いつながりがあると考えられています。肝には気血(体のエネルギーや栄養に相当する)の流れをスムーズにする重要な働きがあり、これがストレスなどで阻害されるとイライラなどの精神症状や生理不順、血行不良の一つとして肝斑が現れるといわれています。また、漢方的にはシミの色が褐色から黒色を呈している場合、血流の停滞(微小循環障害)が関係しているともいわれています。これらのことから、気血のめぐりをスムースにする加味逍遥散に、血行をよくする桂枝茯苓丸や桂枝茯苓丸加薏苡仁、四物湯、丹参製剤や田七人参の併用、さらに市販の紫根クリームの塗布により改善したという報告もあり、紫雲膏も効果がある可能性があります。

 

最後に、ビタミンCを多く含む食品の摂取が効果的といわれています。

果物:イチゴ、グレープフルーツ、キウイ、ミカン、レモン、ブドウ、柿など

野菜:ほうれん草、ブロッコリー、カブ、ピーマン、パセリ、トマト、さつまいも、小松菜、ジャガイモ、ダイコン、キュウリなど

 また、はとむぎ茶が美白に効果的だといわれています。

 

ビタミンCと同時にビタミンAも摂取するのが効果的で、ビタミンAを含む食べ物を一緒に食べることにより、更に美肌になりシミを消しやすくしてくれるといわれています。

 

ビタミンAが含まれている野菜:小松菜、人参、カボチャ、ほうれん草など

野菜以外にウナギやレバーにもビタミンAが多く含まれています。

ビタミンAには、代謝を良くしてくれる働きがあるので、シミやお肌の肌荒れ、老化からも保護してくれるのだそうです。

 

 

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